大栗裕略歴
大栗 裕(おおぐり ひろし、1918年7月9日〜1982年4月18日)東京交響楽団、日本交響楽団(後のNHK交響楽団)関西交響楽団(後に大阪フィルハーモニー交響楽団と改称)ホルン奏者。
大阪俗謡による幻想曲、管弦楽のための『神話』-天の岩屋戸の物語によるの作曲者。
大栗裕作品
大栗文庫が所蔵しない作品を含めた全作品を載せています。
作品数は(放送音楽)を除いて218曲になります。
そのうち完全な自筆譜を大栗文庫が所蔵しているのは99作品です。
大栗文庫の歩み
1982年6月、朝比奈隆を委員長とする故大栗裕氏作品保管委員会の呼びかけで大阪音楽大学付属図書館に大栗裕の自筆譜等が集約され、翌年「大栗文庫」が発足しました。1980年代の吹奏楽作品の出版、歿後10年を機に始まった関西歌劇団による歌劇の再演、歿後20年目のナクソスによるCD発売などの事業は、「大栗文庫」の資料を活用することで実現しました。
1982年6月、朝比奈隆を委員長とする故大栗裕氏作品保管委員会の呼びかけで大阪音楽大学付属図書館に大栗裕の自筆譜等が集約され、翌年「大栗文庫」が発足しました。1980年代の吹奏楽作品の出版、歿後10年を機に始まった関西歌劇団による歌劇の再演、歿後20年目のナクソスによるCD発売などの事業は、「大栗文庫」の資料を活用することで実現しました。
寄託資料が正式に寄贈された2008年に大栗文庫整備プロジェクトが発足して、経年劣化が進む資料のデジタル化と再調査・目録作成が進み、その成果を踏まえて、歿後30年記念演奏会を開催することができました。
ただし、「大栗文庫」だけがクローズアップされてしまったことで、大栗文庫が所蔵しない作品やジャンルへの関心が薄れ、これらの作品の資料を保管・所蔵する個人・団体との協力、円満な関係構築が立ち遅れたことは率直に反省しなければなりません。
また、自筆手稿譜の保管・貸出というこれまでの取り組みは、作品の散逸を防ぐ緊急避難的な対策として効果的ではありましたが、大栗裕の作品が、特別なルートを通じてでなければアクセスできない特殊な存在であるかのような印象を助長するデメリットがありました。
これからは、誰もが手軽に読みやすい楽譜を入手できる環境、大栗作品を「普通の音楽」として多くの方に楽しんでいただけるための環境整備が必要であると、私達は考えています。
大栗裕の作品・業績を健全な形で世に広めていくために、私たちに何ができるのか。「大栗文庫」が大阪フィルハーモニー交響楽団に移管された新たな枠組の下で、大栗裕記念会は、今後の在り方を模索してゆきたいと思っています。
大栗裕記念会年表
1982年4月18日 | 大栗裕、肝臓癌のため逝去、62歳 |
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1982年6月 | 故大栗裕氏作品保管委員会(委員長・朝比奈隆)が関係各位に作品寄贈を呼びかける。 |
1983年11月9日 | 集約された自筆譜等の資料が大栗裕夫人、大栗芳子氏から大阪音楽大学に寄託され、大阪音楽大学付属図書館に大栗文庫が発足。 |
1985年5月1日 | 朝比奈隆校訂『仮面幻想』(カワイ出版) |
1989年11月10日 | 『バンドジャーナル別冊 ザ・シンフォニックバンドVol.2』(音楽之友社)付録楽譜「吹奏楽のための神話〜天の岩屋戸の物語による」 |
1990年6月10日 | 『吹奏楽のための神話〜天の岩屋戸の物語による』(音楽之友社) |
1990年8月 | 「特集 大栗裕の世界」(『Winds』8月号) |
1992年2月15、16日 | 関西歌劇団創作・名作オペラシリーズ「飛鳥」(吹田市立文化会館メイシアター、大栗裕没後10年記念) |
1993年3月 | 「特集 大栗裕の世界」(『バンド・ピープル』3月号) |
1993年3月20、21日 | 関西歌劇団創作・名作オペラシリーズ「夫婦善哉」(吹田市立文化会館メイシアター |
1997年4月26日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団創立50周年記念第307回定期演奏会(フェスティバルホール) *ヴァイオリン協奏曲 |
1998年2月14、15日 | 関西歌劇団創作・名作オペラシリーズ「赤い陣羽織」(吹田市立文化会館メイシアター |
1999年2月20、21日 | 大関西歌劇団創作・名作オペラシリーズ「地獄変」(吹田市立文化会館メイシアター |
2002年4月26日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団第357回定期演奏会(フェスティバルホール) *「神話 |
2002年5月 | 『日本作曲家選輯 大栗裕』(NAXOS 8.555321J) |
2005年11月16日 | 大阪音楽大学創立90周年記念第37回吹奏楽演奏会「大栗裕の世界」(ザ・シンフォニーホール) |
2007年4月6日 | 大栗芳子氏から従来の寄託資料が大阪音楽大学に正式に寄贈され、これを機に、大阪音楽大学付属図書館が大栗文庫整備プロジェクトに着手。 |
2007年7月12日 | 大大阪フィルハーモニー交響楽団創立60周年記念事業「関西の作曲家によるコンサート」(いずみホール) *交響管弦楽のための組曲「雲水讃」 |
2008年4月15日 | 大阪フィルハーモニー交響楽団「大栗裕の世界」(いずみホール) *オーボエと弦楽オーケストラのためのバラード、弦楽のための二章、歌劇「赤い陣羽織」 |
2010年10月23日、11月3日 | NHK大阪放送局「よみがえる関西のオーケストラ作品〜ラジオ歌謡とその時代〜」(8月5日公開収録: NHK大阪ホール、10月23日NHK総合テレビ [短縮版]、11月3日NHK-BS1 [完全版]) |
2012年4月20日 | 「甦る大阪の響き〜大栗裕没後30年記念演奏会〜」(ザ・シンフォニーホール) |
2015年4月17日 | 大栗文庫が大阪音楽大学から大阪フィルハーモニー交響楽団に移転。 |